Life For The Better -学ぶということ- Nr. 4

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ドイツ西部の、オーバーハウゼン市にあるNGO団体、ドイツ国際平和村でボランティアとしてお仕事をするにあたって、とても興味があったこと。

ドイツに滞在している間、世界中からやってくる子ども達の教育は一体どうしているんだろう?

 

大学では教育学を学んで、日本、オーストラリア、ドイツで教育のお仕事に携わった私にとっては、とても気になるテーマのひとつでした。

治療の為ではあるけれど、アフガニスタンやアンゴラ、コーカサス地方などの新興国からやって来て、先進国そして平和的国家に滞在するということは子ども達にとって貴重な機会に違いなく、

その体験を子ども達自身の中に留めるのみではなくて、自国で一人ひとりに平和を実現する種となってもらう事がすごく大切なんじゃないかと思って。

平和教育においても、読み書き・計算などの基礎的教育においても。

国境を超えて、幼児期、児童期の教育はすごく大切だと信じている。

 

平和村では、治療の為にドイツへやって来る子ども達がドイツの現地幼稚園や小学校へ通う事はない。

なぜかと言うと、渡独した時点での子ども達の知識量や学習量は年齢など関係なくさまざまで、それにもちろん入院、治療、リハビリが最優先されるので、みんなで足並みを揃えて学ぶなど大変難しくて、逆にストレスを与えてしまって誰もハッピーになれない結果になってしまう。

それに入院や遠足、お散歩など以外に施設の外に子ども達が出ることは基本的にはない。

 

では、基礎教育はどうしているんだろう。

平和村という施設の中にはLern Haus (Learning house:学びの場)と呼ばれる教育のための建物があり教室が3部屋とキッチンがあって、

その他にも木工室、裁縫室、スイミングプール、小さな体育館が一部屋ずつ併設されている。

Lern Hausでは常勤の正職員一名と、住み込み、また通いのボランティアさんが数名勤務していて、午前中、午後とそれぞれ子ども達が数名ずつやって来てパズルをしたり、読み書きを学んだり、工作をしたり、パソコンの使い方を学んだりしている。

また、時折キッチンで料理をつくることもある。

Photo from Friedensdorf International

木工室、裁縫室などには常勤の職員ではなくて、通いのボランティアさんが子ども達に教えるために時折やって来る。

この、通いのボランティアさんは近郊に住むドイツ人の方々がメインで、そしてボランティアとして登録する為にセミナーを受けたりする必要がある。

子ども達が心を込めて制作したものを施設で使用したり飾ったりすることもあれば、クリスマスマーケットやバザーなどで販売することもある。

キッチンや木工室、裁縫室などはいずれも帰国した際に何か手に職をつけていられれば・・・、

という願いを込めて設けられたのだそう。

 

こういった色々な工夫で子ども達が学ぶ機会が用意されている。

 

だけど、

それでも教育を与える時間、場所、サポートが出来るスタッフが不足しているように感じた。

現在、入院中の子どもを除いても200名ほどの子ども達が施設内に暮らしている。

その内クライネと呼ばれる未就学年齢児については彼ら専用のプレイルームなどがあるのだけれど、

約150名の子ども達に教育を与えると考えた場合、どうしてもリソースが足りない。

 

Lern Haus(学びの場)までは子ども達が普段生活している場所から200mほど離れているので、

子ども達を連れて行く時には数名に絞り、名前リストを作成して、広場や居住スペースで思い思いに遊んでいる子ども達を探し出し

きちんと列を組んで移動させる必要があるのだけれど、

リストを手に名前を呼ぶと、呼ばれなかった子ども達までもが多く集まってきて、

”今日、自分はSchule(シューレ:学校)に行ける?”

”私は昨日も行ってないのにあの子はずっと行ってずるい!(ほんとはそんな事ない)”

”ぼくの名前はモハメドだよ!!(ほんとは違う)”

”Schuleに行きたい行きたい行きたい!!!”

と毎回毎回てんやわんやになる。

 

毎回連れて行く子どもの数が限られているので、

毎回ほぼ例外なくこの儀式は行われることになる。

(おやつの時間とかぶらなければ)

 

毎日のことであっても選ばれずに泣く子どもだっている。

 

 

10歳ほどにもなるアンゴラからやって来た男の子、いつもいつもおもらしをしているのだけれど、

このSchuleの時だけはおもらしをしているのを見たことがない。

普段は濡れたズボンを履き替えるのもとっても面倒くさがるのに、

Schuleに行けると分かると、ものすごいスピードで着替えてくる。

おもらしをしたらもう連れて行ってもらえないのが分かっている。

 

それだけ、子ども達は教育を楽しんでいる。

それだけ、子ども達は教育を受けることを望んでいる。

そして、私達大人はせめて、彼らが施設にいる期間だけでも

彼らの教育への想いに応えてやる義務があるのではないかと切実に願った。

 

私達のように、先進国で当たり前のように与えられる生活をしていると、日頃から、自分の欲望にしたがって学んでいるのではなくて、

“教育を受けさせられすぎている”んだな、と改めて考えさせてもらった。

教育の原点を見ることができたのは私にとって素晴らしい出来事ではあったのだけれど反面、

まだまだこの、平和村で生活をしている間に子ども達への教育の機会を生かせるようなもったいない気持ちにもなった。

 

今、ドイツから日本へ帰国したからボランティアはおしまい、ではなくて

ドイツ国際平和村のためのみ、という訳でもなくて、

今後自分に何が出来るかをこれからも考え、実現することが課題だと思っています。

 

(※写真提供:ドイツ国際平和村)

 

 

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