Life For The Better -平和を教育するということ- Nr. 5

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ドイツ、NRW州、オーバーハウゼン市(デュッセルドルフ市から約一時間)にあるドイツ国際平和村にて

私がボランティアとして活動に参加したのは6ヶ月間。

 

その内最初の4ヶ月間はKleine Kinder (クライネ)と呼ばれる部署で

低年齢の子ども達に対し保育を含め日常の身の回りのお世話をしていたのだけれど、

残りの2ヶ月間はBildungswerk(ビルドュングスヴェアク)と呼ばれる平和教育活動を行う部署で働くことになった。

本来ならボランティアの部署異動は余程の事がない限り行わないという方針ではあるのだが、

私がドイツ国際平和村についてもっと包括的に知りたがっているということと、様々な要因が重なり、

ドイツ人職員がここなら、と丁度ボランティアを要していた部署を薦めてくれた形だった。

色々なタイミングが絶妙に合わさった導かれるような感覚をまた味わうことになった。

しかし、そもそも平和教育活動とは一体なんなんだろうか、分かるようで分からない気もした。

Bildungswerkは平和村の中でも少し毛色が違っており、

平和村が受け入れている子ども達に対する仕事ではなく、ドイツ人に対し平和教育を行うことを主の活動としている。

つまり、砕いて言うと、ドイツ人のためにセミナーなどを開催し、

平和村について説明したり子ども達と関わってもらい平和の大切さを直に感じてもらおうという部署である。

 

話が少し逸れるが、平和村は活動資金の大部分が寄付で賄われているNGO団体なのだけれど、

子ども達を受け入れ、治療するという部分ではドイツ政府から助成金を受け取ることはできない。

端的に述べるとドイツ人のための救援活動ではないからだ。

しかし、この部署はドイツ人を相手に平和教育、つまり再教育(Weiterbildung)を施していることになり

政府からこの平和教育活動に対して補助金を受け取ることができる。

 

基本的にはグループで予約申し込みを受けセミナーを開催しており、

中学や高校のクラス、教会、赤十字、そしてデュッセルドルフ日本人学校など本当に様々な団体から参加頂いている。

思った以上に先まで予約で予定がぎっしり詰まっていることに驚いた。

ホステルのような宿泊施設も備えており、長ければ一週間程度滞在するグループもある。

 

さて、平和教育活動に関わる部署に異動すると決まったものの、私は不安でいっぱいだった。

今まではカタコトでドイツ語を話す子ども達と関わっていたのであまり気にならなかったが

これからはドイツ人を対象とした仕事になる。

これまで以上のドイツ語力を求められるのは間違いがなく、

しかも扱いの難しく今まで経験した事のない中学生、高校生と多く関わることになる。

今までに日本人ボランティアとしてBildungswerkで働いた人間はいなかったらしく、マニュアルも前例もない。

自分の立ち回り方を自分で模索していく必要があった。

 

Bildungswerkのマネージャーを務めていた女性は、29歳で8年間仕事を続けている。

施設の中で出会った最も尊敬する人々の一人で、仕事に対する姿勢もその強さも本当に色々と学ぶことが多かった。

彼女が行うセミナーにはよどみがなく、甘い言葉だけではなく、誰もが引き込まれる鋭さを持っていた。

訪問者と共に彼女のセミナーを何度も何度も聴く事が出来たのは本当に幸せなことだった。

 

不安でいっぱいだった私を、いい意味で突き放して何でも仕事を任せてくれたのが彼女だった。

 

幸運なことに、仕事を始めてすぐに一週間お世話を任されたグループは

最高に愛にあふれたLOVE&PEACEなグループで、

ドイツ語で理解出来ない時には英語で、仕事に追われている時にはお手伝いを、

最終日にはAbschlussrunde(閉会の挨拶)では一人ひとりからDanke(有難う)の言葉をくれて、

そして私達のためにこんな素敵なくじらポスターまでプレゼントをしてくれた。

 

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平和教育ってなんだろう。

どうやったら人に平和の大切さ、離れた国で実際に起こっている現実の厳しさを伝えられるのか。

つきつめて考えだすときりがなく、高い壁にぶち当たってしまうような気持ちになる。

例えばFacebookで真面目な投稿をするとほとんどイイネがつかないのに、

食べ物や旅行の写真にはたくさんのイイネがつく。そんな経験はないですか。

私はそのたびにとても複雑な気持ちになる。

 

けれど、職員たちに言われた言葉、

『難しいことを考えないで、彼らセミナー参加者がとにかくどれだけ子ども達と積極的に関わることができるか、

あなたがどれだけ子ども達と彼らとの架け橋になり心を通わせるサポートをできるか、それがこの仕事で一番大切なこと。

今までずっと働いてきて、私は知っている。セミナーでどんなに説明をしても人はすぐには変わらない、

大切なのは子ども達の笑顔を肌で感じてもらうことだよ。』

と言われたとき、ドイツ語力なんて本当はそんなに関係ないのだと気付かされて、肩の力が抜けたようだった。

 

そして、

『最初に平和村へやって来た時には授業の一環か何かで全く興味のないような顔をしていた訪問者たちが、

帰るときには「楽しかった!!また次はいつ来れるかな?また一緒にサッカーしたいな。」と言いながら

名残惜しそうに去っていくのを見ると、ああいい一日だったなぁと思えるんだよ。』

という言葉からは、世界中を今すぐ変えることばかり考えすぎて出来ないことを悔しがるのではなく

出来ることを一つずつ成し遂げていくことの偉大さを教えてもらった。

 

 

この部署で出来ることは、とても限られているようでありそしてまた無限大でもあるように感じた。

 

(写真提供: ドイツ国際平和村 Friedensdorf Internatilnal)

 

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ドイツ国際平和村への寄付金口座
三菱東京UFJ銀行 本店 普通口座
口座番号:0152887
口座名:ドイツ平和村
またはAktion Friedensdorf e.V.
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